あうとらいん:『Yes! プリキュア5』を観ました
思い起こしてみれば、それまでの美少女戦隊物のデファクトを突き破る「ふたりは」の新機軸が打ち出され、異色で異端な白と黒の世界が展開し、あのセンセーショナルなオープニングに毎週心躍らされた懐かしい日々はもはや3年も昔の話となってしまったわけですね。白派と黒派に分かれて今思えばアホみたいな煽りあいをしたのも今となってはいい思い出です。あるいは黒派がスパッツ派と黒タイツ派に内部分裂したり、白派と黒派が争っているところで「僕は人魚派です><」と言ったら池沼扱いされたり——いずれも懐かしい話であります。
そのプリキュアシリーズがいよいよ原点に立ち戻り、『東京ミュウミュウ』以来ひさびさの美少女5人戦隊物となった『Yes! プリキュア5』。遅れ馳せながら私もようやく視聴しました。世間口を眺める限りでは絶賛と罵倒が入り乱れているように見受けられますけれども、私としてはまあそこそこ面白いアニメだったかなと思います。もちろん昔のようなインパクトのあるアニメではなくなりましたし、 OP/ED は印象に残らない程度のものでしたが、それでも昔懐かしい美少女戦隊物を久々に見ている(というかこれから見られる)というワクワク感がたまりませんね。
コミック版 『Yes! プリキュア5』
3年前にアニメが始まって以来「なかよし」にコミカライズ版プリキュアが掲載されてきましたが、アニメとともに4年目突入というロングラン連載を果たし、3月号から『Yes! プリキュア5』の掲載が始まりました。従来どおり作者は上北ふたごです。
実際に私の友人もそうだったのですけれど、プリキュアは圧倒的な知名度を誇るアニメに比してコミック版は読まれていない感じがありますし、そもそも存在すら知られていないなんてことすら(私の周囲では)あったりします。個人的に、それはちょっともったいない。コミック版は通例16ページ程度と短いこともあって戦闘に比重が置かれておらず、アニメとは異なり「ふたり」の日常を描く内容がメインとなっていまして、わざわざ毎週アニメをしっかりと見ているような視聴者であれば絶対に楽しめるような内容になっていました。見た感じの推し測りで恐縮ですが、おそらく今回もほぼ同じような路線を踏襲するんじゃないのかなと思います。
以下、この短い漫画を詳細に紹介すると見る必要自体がなくなってしまいますので一部のみ抜粋という形で簡素にご紹介させていただこうと思いますが、このコミック版、今までもそうでしたが全体に表情がなんというか……エロいんですよね。見ているほうが ニヤニヤ してしまうような、言葉に余る顔をしています。

まるでどこぞの成年コミックに出てくる女の子のような表情をしていますが、これが例の新しいピンクの主人公の女の子です。コミック版はやはりページ数の関係などもあるためかアニメ版とは大分細かい点での展開が異なりまして、生徒会長がのぞみの名前を覚えている理由が同じ本を10回も借りているからだったり、そもそも図書館に男が入ったか入らなかったかで揉めたりしません。
大筋の男を追いかける点などはもちろん変わらないのですが、ちょっと味気ない感のあったアニメよりもう少しばかり「少女漫画」的な展開が楽しめるようになっています。アニメ版ののぞみよりコミック版ののぞみの方が可愛く見えてしまう不思議。

男がのぞみに抱きついたことを覚えているか覚えていないかというようなことでページを消費したりします。この辺もアニメとはだいぶ違いますね。(あと、やっぱり表情がどうしても喘いでいるように見えてしまって仕方がなかったりもします…)

なお、戦闘シーンが伝統的に削剥されてきたコミック版ですが、やはり初回であるためか一応変身して戦闘する場面が描かれていました。変身直後に驚くシーンでは、もちろん原点回帰したヘソ出しコスチュームはコミック版でも拝むことが出来ます。ちなみに敵は変身後の状態で出て来てしまい、変身前の怪しい姿は見せてくれませんでした。

ところで昔ならきっと「なんじゃこりゃあぁぁ!?」じゃなくて「ぶっちゃけありえなーい!!」でしたね。今作は主人公が平凡すぎるというよりも、作品の部分部分にも目立つ特徴が無さ過ぎるような気がします。
ちなみに戦闘はほとんど描かれていません。今回の『Yes!』では1コマで戦闘を終わらせています。そもそも紙面で戦闘シーンを描いても何をしているのか読者にはよくわからず結局コスチュームとセリフくらいしか見所がない——なんてのは美少女戦隊物のコミック版には付き物な話ですし、実際4年前に『東京ミュウミュウ』が同じ道を歩んでしまったのはご存知の通りですので、戦闘シーンを省いてキャラをメインで描くというプリキュアのコミカライズ方針はだいたい妥当なんじゃないかなと思います。
一応子供向けを標榜する「なかよし」ですので、雑誌の価格は 440 円です。どこの本屋でも間違いなく扱っていますし、それほど費用もかからず購読できます。アニメのようにアクションシーンを楽しむものではありませんし、たった16ページしかないものではありますけれども、補助的な楽しみとしては相変わらず十分楽しめる漫画だと思います。これから1年間にわたって5人のプリキュアと付き合っていこうとお考えの方は、アニメだけでなく是非こちらも合わせてご覧になっていただければと思います。






