- 初版:2007-02-14T14:47+09:00
- 第2版:2007-02-14T23:23+09:00 (複数のご指摘を受け、再考の上で修正を施しました。ありがとうございました)
- 第3版:2007-02-17T00:40+09:00 (わかりづらい点などを修正。参考リンク追加)
最近の「なかよし」について思うところなどをメモしておきます。
あうとらいん
「なかよし」はご存知の通り講談社が発行する少女漫画雑誌です。かつては『きんぎょ注意報!』や『ミラクル☆ガールズ』、そして『美少女戦士セーラームーン』や『怪盗セイントテール』などの歴史に残る数々の漫画を世に生み出し、今や漫画に通じているか否かにかかわらずほとんど誰もがその名前を知っているほどの圧倒的なブランド力を持つ、「りぼん」「ちゃお」とともに輝かしき「りなちゃ」の一角を占める名門雑誌であります。たとえ少女漫画にほとんど興味が無かったとしてもおそらく一度くらいは見てみたことがあるでしょうし、私にとっても遥か遠い小学生の頃から今に至るまで購読し続けて来ている思い入れのある雑誌であります。
それが今や……
貴重なカラーページを使い、しかも少女漫画雑誌にとってクリスマスと並ぶ超重要イベント「バレンタイン企画」でこんなものを描いています。
明治のミルクチョコレートに決定!
とか言われても…。少女漫画においてバレンタイン特集がいかに重要かわかってんのか講談社。ここまでモロな宣伝漫画はなかなか描けない。商業主義ってレベルじゃねーぞ。
(a) 「なかよし」は少女漫画というほど少女漫画じゃない
ここから下は余談含みの文章です。
先日「コミック版 『Yes! プリキュア5』」のアーティクルを書いた際に『なかよし』なんて少女漫画、恥ずかしくて買えんよ
というようなことを言われたのですけれども、10年前ならいざ知らず、今の「なかよし」はそう言うほど少女漫画ではないんですよね。「なかよし」はいろいろと話題が豊富なこともあって、よく少女漫画好きの人とこの雑誌についての話をすることがあるのですけれども、ほとんどの人がもはや「なかよし」は少女漫画というほど少女漫画ではなくなったと考えています。口を揃えて「あれは中途半端なオタク雑誌だ」と言う。
これはどういうことかについて簡単に説明。以下は今月号の掲載作一覧。
- 『かみちゃまかりんchu』 (コゲどんぼ;巻頭カラー)
- 『キッチンのお姫様』 (安藤なつみ / 小林深雪)
- 『Yes! プリキュア5』 (上北ふたご / 東堂いづみ)
- 『オレンジ・プラネット』 (フクシマハルカ)
- 『ピンク♥♥イノセント』 (桃雪琴梨)
- 『しゅごキャラ!』 (PEACH-PIT)
- 『小川とゆかいな斉藤たち』 (茶匡)
- 『もどって! まもって! ロリポップ』 (菊田みちよ)
- 『スクール×ファイト』 (原明日美)
- 『シュガシュガルーン』 (安野モヨコ)
- 『ママコレ』 (遠山えま;最終回)
- 『地獄少女』 (永遠幸 / 地獄少女プロジェクト)
もうパッと見るだけで外部作家が異様に多いんですよね。『デ・ジ・キャラット』のコゲどんぼ、『ローゼンメイデン』の PEACH-PIT 、『働きマン』の安野モヨコなど、いずれも少女漫画の専門家ではない人間が並んでいます。また、『Yes! プリキュア5』と『地獄少女』はアニメから引っ張ってきたタイアップ漫画なので「なかよし」オリジナルといえる少女漫画ではありません。『もどって! まもって! ロリポップ』もアニメ化のために旧作を引っ張り出し、再び同じレールの上を走らせてる特殊な漫画です。これらを抜いて残った漫画がおよそ「なかよし」生え抜きの純粋な少女漫画となりますが……もう半分しか残っていないんですね。
事実上半分の連載が純・少女漫画ではなく、どちらかといえばアニメや大きいお友達狙いになってしまっているこの現状を指して、もはや「なかよし」はオタク雑誌でしかないと言われることがあります。実際に中をパラパラめくるとコゲどんぼの絵が出てきたり PEACH-PIT の絵が出てきたりするわけで、表紙や"ふろく"はともかくとしても、中身を見るとまるでオタク雑誌であるかのように見えます。またストーリーも「これホントに子供が読んで楽しいのか?」と言いたくなるようなものが多くなっています。そしてもちろん(小学生向けの雑誌であるにもかかわらず)コミックスでは講談社の十八番である限定版商法が駆使されており、特に『かみかり』と『しゅごキャラ!』の2つは通常版に薄っぺらい冊子を付しただけの限定版が2倍以上の値段で売られています。今や「なかよし」は見た目も中身もやっていることもオタク雑誌のようであり、雑誌の蔑称が「ヲタよし」なのは伊達ではありません。
昨今の「なかよし」は大きいお友達が買っても問題ない雑誌といいますか、むしろ大きいお友達を女児と共に狙っている雑誌であります。これは伝統的な「なかよし」の手法でもあったのですが、今や本最高の発行部数を誇るオタク雑誌といっても過言ではないくらい絵柄やストーリーに大友向けが増えています。ですから「恥ずかしい」というような古典的概念はもうそろそろ捨て去って堂々と買うといいと思います。いやホントに、ご覧になったことのない方は一度中をめくって見てほしい。びっくりするほど大人向けで、こんなの子供読んで楽しいのか!? と驚くと思いますよ。
(b) 生え抜きはすぐ消えるし、中途半端な漫画が多い
「なかよし」についてよく言われる問題は、生え抜き作家がほとんどいないことです。
外部から引っ張ってきた作家や特殊な事情の下で描いている漫画はその事情と人気ゆえなかなか連載終了に至らない実質的な専用枠なため、「なかよし」生え抜きは残った小さく狭い枠の中で競争を繰り広げており、結果として泡沫で消えていくこともしばしばです。そのため作家がさっぱり育っておらず、新しい作家が増刊から移って来てはつまらない連載を描いて5~6回(←ジャンプの10回と同じ)で消えていくのでどうしようもありません。大友向け漫画とタイアップとつまんない生え抜き漫画だけが残るという構図になってしまっています。
完全な個人的感想ですけれども、このほとんど外国人球団になってしまっている「なかよし」、もうこの際ならば徹底して大きいお友達にしっかりとコンテンツを提供できる仮装オタ雑誌にでもすればよいものを、そこまでは出来ないのか中途半端に外部作家に少女漫画チックなものを描かせてしまっているんですよね。これはあまりよくないと常々思ってます。前述の通り子供にもウケそうにないし大人的にも微妙な作品というのが多く、おかげでなかなか "これ!" というものが出なくなっています。『カードキャプターさくら』並の知名度を誇る作品なんて今はもうありません。以前の『セーラームーン』ほどのポテンシャルを有するような作品はもちろん、「ちゃお」の『ミルモでポン!』や『きらりん☆レボリューション』に対抗できるような作品もなく、毒にも薬にもならない作品ばっかりが誌面を埋めている感があります。つまらないというより、味気ない作品が増えました。
(c) 部数
もちろんそれらはきちんと部数に表れています。
かつて私が読み始めた15年前の頃は200万部の大勢を誇り、当時250万部で独走していた「りぼん」を迫撃せんとした「なかよし」ですが、『カードキャプターさくら』連載期に一気に失速してしまい、大きく部数を減らし今や40万部を下回らんとする勢いです。これは全盛期の5分の1にあたります。本当に売れなくなったものですね…
もっとも、当時は比較的マイナーだった「ちゃお」が今や100万部を超え150万を目指す一方で、トップランナーだった「りぼん」が壮大にコケて40万部を下回り3位に転落し、増刊号を全て廃刊にするほどまで追い込まれるという大技をかまして風前の灯火になったりと、全く想定外と言っても差し支えない激動の流れがここ数年の間にありました。それら全体を見て考えればまだ「なかよし」は2位を一応キープしているだけマシな方なのかもしれませんが、それでもトップランナーから遥か離されたところで3位争いをしている始末。
というか最近は子供さんの話などを聞いても「ちゃお」を買っているケースがほとんどで、「なかよし」はせいぜい「ちゃお」と一緒に買ってるというような2冊買いのケースばかりです。買っている子供をほとんど見ません。私の周囲の女の子は「ちゃお」ばかりを買っています。いつも「ちゃお」の付録をあげている従姪によれば「りぼん」や「なかよし」は全然面白くないから買わないのだそうで、その面白くない理由を問い詰めてみるとやはり(件の)微妙に大人志向で作られているストーリーがダメなのだとか。
(d) 結局
そのうちこの話もまとめて書きたいですが、本の中身にせよ"ふろく"にせよ、今は「ちゃお」が圧倒的なのです。少女漫画に興味などない方にも是非これだけは知っていただきたい。ここ数年間で力を蓄えて少子化にもかかわらず部数を着実に伸ばし続ける「ちゃお」は、残りの2誌が退嬰的な雑誌に成り下がるなかで、作家・連載・ふろく・特集のいずれも着実にステップアップしています。"ふろく"を見るだけでも「ちゃお」の豪華さは際立っています1。対する「りぼん」と「なかよし」のここ数年の歴史は凋落そのもので、もはや(部数以外の面でも)2誌を合わせたところで勝負にならないくらいでしかありません。今日日、我が世の春を謳歌しているのは「ちゃお」であります。
「なかよし」愛読者としてはここから抜け出して再び面白い漫画が読めるようになることを勝手に願っているのですが、いずれにせよ、チョコレート会社の宣伝をするようなカラーページをバレンタイン特集として描いているようではどうしようもない。こんなことじゃ読む子供が増えるはずがありませんよ。
余談:『かみちゃまかりん』アニメへの期待
ここまで散々「なかよし」にぶつぶつ文句を言ってきましたが、実は4月からテレビ東京系で放映される『かみちゃまかりん』は(たとえ外部作家といえど)久々の「なかよしアニメ」ということでかなりの期待をしています。コゲどんぼ作品だから~ということもありますが、それ以上に久々の少女漫画からのアニメ化作品なのです。少女漫画アニメに関しては連載本誌の体力が(本当に)出てしまっているのだそうで、ここのところプリキュアやふたご姫を除外すると2年目突入の『きらレボ』だけという本当に寂しい状態でした。「なかよし」連載中の作品のアニメ化としては『シュガシュガルーン』以来です。
名門の一角を占める「りぼん」は「なかよし」とは違う問題——内容の硬直化が進みすぎて、もはや救いようがなくなっています。「なかよし」には「ちゃお」一強時代から抜け出すための最後の対抗馬として頑張って頂きたいところです。
参考リンク
- 頑張れなかよしとりぼん
上のリンクをりぼんに関係する所だけ引用しながら語ります。
- 「恋☆カナ」は名曲だと思う
上の二つの記事がそれぞれ「りぼん」「なかよし」に比重を置いた記事なので、私は「ちゃお」について書いてみようと思い立ちました。
- 1. 「ちゃお」に続こうと「なかよし」や「りぼん」も"ふろく"のクラスアップを図っており、その結果としてだいぶ差は縮んできましたが、それでも女の子的には「ちゃお」の付録が一番なのだそうです。簡易な化粧グッズなどを他に先んじて取り入れた「ちゃお」の"ふろく"は先進的と言われます。
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Comment (コメント)
すごい転落人生・・・
やり方があからさま過ぎて失笑レベルになっているのは編集の責任だと思いますが、
こうでもしないとお金を出してもらえないとか、とても作る側の都合丸出しです…(涙
それでもりぼんは次の発売日までに付録如何でなんとか完売、なかよしは残る率が高いかな…
まあこれも付録の内容に準拠しますね。りぼんは中身がかわいそうなくらい幼児化しすぎて、昔のりぼん
(姫ちゃんのリボンをやっていた頃)の内容のマンガは
全部クッキーとマーガレットに流れている気がします。
(しかしクッキーは立ち読みされるばかりで皆目雑誌が売れないのが…。)
ここらへんが小学校中学年という感じですかね、
中学生は迷いもせずに小コミか花夢に行きますが…皆ファンタジーかエロに分かれていくのかな…
女の子はいまや小学生でもファッション各誌も買わなきゃいけませんから
お金の使い道が漫画からはなれちゃうんでしょうね。
小坂理絵先生は最近まで頑張ってたみたいだけど辞めさせられちゃったらしいし、デビューから好きだった永遠幸先生は初期のカッコイイ絵と背伸びしたい女の子が憧れるようなストーリーからオタ向けな原作付きの地獄少女やらされちゃってるし・・・(これが一番私的にショック)
なかよし読んでた頃はなかよしに連載される漫画家になりたいと思ってたけど、今の子はこれ読んで漫画家になりたいとか思うのかな?
どうせ部数も伸びないしこれはもっとヲタ雑誌にすればと思います。
まずはひぐらしのなく頃にでも載せるて本当にヲタよしにすることから
ひぐらしは小学生にも人気ありますしね。
どうやら昨今の講談社の若年層向け漫画雑誌の編集方針はどれも同じ傾向にあるようですね。
かくいう私は長年「コミックボンボン」を追いかけておりますが、こちらに書かれている内容が全く他人事と思えないです。
誌面を開けば外様作家、生え抜きは角に追いやられ、メインを張るのはタイアップという状況は今のなかよしとほとんど同じといっても過言ではないと思います。
同ジャンル内でのライバル関係も今は昔、部数は大幅に減少しトップ誌から大きく離されているという図式も似ていると思います。
部数が減ったからオタク化したのか、オタク化したから部数が減ったのかは議論が分かれるところではあるかと思いますが、
(少年マガジンを筆頭に)講談社全体がオタクの呪いのようなものにかかっちゃってる感じがします。
今は『シュガシュガルーン』と『ゴーストハント』を買っていますが、それも「なかよし」だからじゃなくて好きな作家だからです。『シュガ〜』はかなり正統派な魔女っこ少女マンガしていると思いますが、それも『なかよし』らしいとは思えないですし・・・
『カードキャプターさくら』も大好きだったのにその頃から売れなくなってるなんてショックでした
スカスカな雑誌になっちゃったんですね
紹介されていたバレンタインキャンペーンのカラー頁は「他の子と絶対差を付けたいの!」→超メージャーチョコの流れは読者の女の子を馬鹿にしているとしか思えませんね。だから売れんのじゃ
ちゃおには負けていますが、私はなかよしが最高だと思います。
最近の少女漫画からのアニメ化の少なさはうすうす感じていましたがリボン・なかよしが
こんなことになっていたとは・・・・
キラ☆レボ(←アニメのほう)が若年層に受ける現象も不思議ではなくなってしまいました
ちなみに私はなかよし派でしたがCCさくら終了と共に読まなくなりました
もともと一本でもっているようなものでしたからね(リボンもジャンヌにしたら同じか・・・)
「一本だけなら単行本買った方がいい」という人続出してましたし
それより気になるのは少コミの若年齢化ですよ
昔は高校生でも読んでいるような雑誌で小学生で読むのは姉がいる人だけだったのに今のこの状況
時代は変わりましたね
男性である私(HIRONEXT)がこんなところでカキコするのもなんですが、少女漫画「りぼん」「なかよし」がこれほど部数を減らしているとは思ってもいませんでした。少女漫画だけでなく、少年漫画もかなり部数を減らしています。全体的に漫画を見る人が減ってきているのでしょうか。それにしても最近の漫画(最近のアニメも)は感動するものがあまりないような気がするのですが、それは私だけでしょうか。
一方、ゲーム業界はユーザーを拡大させた企業がいます。「任天堂」です。漫画、アニメ業界
もこのような企業が生まれてきてくれたら良いですね。
正直言って、数年前から話も絵もレベルが下がってきたかと・・・。
内容がちゃんとしてて値段が高いならまだしも・・・。
親戚の子に見せてもらったが外部作家以外の漫画はありがちな内容が多いかと・・。
もっと独特の世界観がほしい。
オタクと言うものはこの記事に書いているものと全然ちがいます
それにちゃおは悪いですけど絵が本当に下手だと思います
売るのはあくまで漫画です付録で買うようになればもう終わっていると思います
ふろくはいらないんだけど 私だって子供だし
ちょっとね。。。 気に入らない漫画もあります。
「シュガシュガルーン」とか? 絵が気持ち悪い・・・
湯煎で溶けにくいからです。
「手作り用チョコレート」が結構出回ってると思うのですが……
(まぁ、手作り用チョコレートは溶けやすくするために脂が多くてマズいんですがね)
私達、5年生は、『なかよし』を買ってる人が多いです。
特に話題になっているのが、「小川とゆかいな斉藤たち」と、
「しゅごキャラ!」です!!
これからも、『なかよし』を買い続けようと思ってます!!
頑張って下さい!!
確かに、なぜデビュー?と納得いかない画のレベルが低い方や
(じゃあ描けよと言われれば無理なのでとやかく言うのも難ですが)
「前にもあった?」と感じる二番煎じのストーリーなど増えました。
次が読みたい!待ち遠しい!と思える作品は激減してます
以前とべると内容も少し過激というか少々エッチな画が増えました。
片思いで始まり両思いで終わるのではなく
さっさと告白し両思いになってからの展開なのでラブシーンが増えた気がします。
小学生でも交際する時代なんでしょうけどね・・
アニメ化が当たり前のように流行り始めた頃から
なかよしデビュー以外の漫画家さんが増えましたね。
それはそれで良いとは思いますが、なかよし生れの漫画家さんは
もっと連載する機会を大いに増やした方が良いと思います。
ドン(?)と言える漫画家さんが正直、居ませんよね。
新人まんが大賞も必ず誰かという感じで無理にデビューさせなくても良いのでは?
ここ最近のデビューで上手だな~と素直に思えたのは
「遠山えま」さん「えぬえけい」さんあたりでしょうか(とっさに思いつく限りで)
「桃雪琴梨」さんも上手ですがちょっとエッチ(^^;
そうそう、小学生には定価が高すぎます。(ラブリーと重なると大人でもキツイ)
書いてる人の身にもなりなよ