- この記事は「mka と EAC からダイレクトに tta+cue」(2004-11-27)の続きです。
Outline
CDの入れ直し 【文月】(めにまね日記)取り込んだWAVEファイルをTTA(The True Audio)で圧縮して、MKAで保持することにしました。
結果は大満足。ファイルひとつで曲名などが収まった、CDに戻せるデータを保持できるのは実に素敵です。ただ、やはり手順が面倒くさい。のんびりとデータを作っていこうと思っています。ほかにやらなきゃいけないことが沢山ありますからね。
以前に私が書いた「mka と EAC からダイレクトに tta+cue」(2004-11-27)は、妖精現実で紹介されていた mka のつくりかたの一部分を端折ってしまいましょうという趣旨で書いたもので、ちょっとだけ手を抜くためのものに過ぎません。EAC からダイレクトに tta を作れるようにはなっても、GUI を使ってそのあとに mka にするとなると、まずは mkvmerge を開いて tta ファイルをドラッグして、attachment に log ファイルを加えて、cue シートを読み込ませて…と結構面倒です。1枚の CD を買ってきて、それを単に mka にしたいという程度であれば大した手間にはならないのですけれども、今持っている CD を全部 mka にしてしまいたいというような特殊な要求を満たすとなると猛烈な手間がかかってしまいます。
そういうときには、もっと手軽に手抜きな音楽ライフを実現するために、 EAC で吸い込んだら自動的に tta/flac にしたうえで、ちゃんと cue シートを組み込んだ mka をフルオートで作ってくれてしまう夢のようなソフトウェア、mkaenc を使うと便利です。これによって中途の過程は完全に端折ってしまえます。mkaenc は特に、いつも mka を作るときには同じ手順しか踏まない場合に大きな威力を発揮します。
注意
mka (matroska audio) は未だに開発途上にあるコンテナです。mka で音楽を整理して二歩先へ進んでみる気分になってみたとしても、実はその二歩先はまだ工事中だった、というようなパターンがあり得ますし、実際に matroska のコンテナに関する仕様は決して小さくない変更が加えられたことがあります。そのために私の HDD には昔の規格で作られた mka と 新しい mka が混在しているという、非常に気味がわるーい状況になっていたり…
「今日作った mka が明日には開くことも覗くことも戻すことも出来なくなってしまう」などということは多分ないでしょう。けれども、とても大切で二度と作り直せないデータをわざわざ mka のような決して安定しているとはいえないコンテナに入れてしまわないようにしてください。
mkaenc はどこにあるの?
動画作成や音声変換などでコマンドラインに馴染んでいる方なら、中のドキュメントを読めばすぐに使えます。すぐにお試しください。…といいますか、そもそも mkaenc を使い切るためには果てしなく長いコマンドラインが必要となりますので、そもそもコマンドラインが苦手な人にはちょっとだけ厳しいソフトかもしれません。
原版は New command-line encoder for EAC, to directly create a mka file にあります。ライセンスは GPL です。
取り敢えず mkaenc を動かす
取り敢えず動くレベルまでの高速解説。
まずは mkaenc.exe を mkvmerge.exe があるフォルダ(そして願わくばそれ以外の mkvToolnix の各種ツールも全て揃っているフォルダ)と同じ場所に配置してください。これは非常に重要で、そうしないと動きません。mkvToolnix は事前に最新のものと置き換えておくとよろしいかと思います。mkvToolnix の最新版は http://www.bunkus.org/videotools/mkvtoolnix/win32/pre/HEAD/ にあります。なお、さらなる利便性のために、この mkvToolnix と mkaenc が共存しているフォルダに path が通るようにしてください。
次に、EAC の設定をします。既に自分の環境に合わせて EAC の設定は完了しているものとします。まだ未導入・未設定の方は、「mka と EAC からダイレクトに tta+cue」(2004-11-27)に関連情報が記載されていますので参照して、設定後に戻ってきてください。

- エンコードに外部プログラムを使用し、パラメータを「ユーザー定義のエンコーダ」とします
- 使用する拡張子は「.mka」です。
- mkaenc.exe をパスを含めて指定します。たとえば私の場合は「Y:\Matroska\mkvToolnix\mkaenc.exe」ですが、人によって設置した場所が異なると思いますので、それを指定してあげてください。
- ID3 タグは追加しても追加しなくてもいいです。結果は変わりません。
- 外部プログラムのリターンコードはチェックする必要があります。これは必ずチェックしてください。
コマンドラインですが、取り敢えず tta でエンコードする場合には「-i %s -s %o -y "%Y" -g "%m" -m -f -e "Z:\Audio_encoder_codecs\ttaenc.exe" -o "-e" -x ".tta" -a "%a" -t "%g" -j "--title %g"」とでも入れておいてください(「Z:\Audio_encoder_codecs\ttaenc.exe」は、あなたが持っている ttaenc.exe のパスに置き換えてください)。また、C:\Program Files\FLAC\ に flac.exe がある場合で flac によるエンコードを望む場合には「-i %s -s %o -y "%Y" -g "%m" -m -f -a "%a" -t "%g" -j "--title %g"」としてください(それ以外の場所に flac.exe ある場合には、「-i %s -s %o -y "%Y" -g "%m" -m -f -e "Y:\Audio_encoder\flac.exe" -a "%a" -t "%g" -j "--title %g"」のようにすればいいです)。
あとは前回の記事と同様に CD イメージを作成すれば、もう mka が出来てしまいます。
これで mka は完成しました。これを foobar に D&D すれば、
どうですか? これなら楽ですよね。ご覧のとおり、2バイト文字もすんなり通ってくれます。
詳説 mkaenc
「もっといろいろやってみたい。せっかく matroska audio にするんだから、もっといろいろと機能を(無論、最小の手間をもって)使ってみたい」という要求は至極当然です。私は個人的に、まだあまり流行しているとはいえない mka と可逆圧縮を、より多くの人に試してみてもらいたいと考えています。mkv や ogm などといった動画のコンテナを使ったり試したり作ったことがある方はきっと多いでしょうが、動画部分の入っていない、音とチャプターだけのコンテナをわざわざ一から作るという行為は最初のうち、奇特に感じるかもしれません。しかしこれは、慣れると便利で仕方がなくなります。そんな可逆音声圧縮と mka の——それはもう魔術的な利便性を、この機会に是非とも試してみてください。
普及を少しでも推進するため、mkaenc に付属していたドキュメントを日本語に翻訳しました。「mka encoder(日本語翻訳文書)」(2005-02-20)を参照してください。
余談 A:mkaenc で絶対に出来ないこと
「EAC からダイレクトに作った mka に .log を attachment で自動的に含めたい」という要求は、まあ気持ちはわかるのですけれども、実は100%出来ません(少なくともかんたんではない)。-j の中に「--attachment-mime-type text/plain --attach-file C:\EAC\%g.log」を含めてしまえばいいだけの話のように見えるのですけれども、log ファイルは mkaenc が正常に完了したことをも記すものですから、mkaenc が動作している途中ではまだ出力されていないのです。mkaenc の動作完了を EAC が確認して、「終わったよー」と mkaenc が言った後に出来上がるのが log ファイル。ファイルそのものが存在しないので、mkamerge がエラーを吐いて梱包作業そのものが止まってしまいます。
そのため、もしもあなたが mka に log ファイルを含めたいのであれば、事前に log ファイルを用意しておくか、あるいは手動で mmg や mkamerge を動かして mka に log ファイルを含めるようにするしか現時点では手がありませんです。
余談 B : .tta + .cue / .flac + .cue と (tta+cue).mka / (flac+cue).mka のどちらがいいだろう?
非常に微妙な話題ではありますが、本当に tta と cue シートだけの mka となってしまうと、整理整頓が楽になるという以外にはあまり意味がないかにゃー…という感じは否めないです。剥き出しの cue シートは愛用のテキストエディタで書き換えられるのに対して、mka に埋め込んだ cue シートを書き換えるためには別のソフトウェアを使わなければなりません。もちろん、単なる書き換えならば foobar で出来ますし、一旦 cue シートを画面上に出力させてコピペしてテキストエディタで編集してまた再梱包させることは出来ますが、やっぱりちょっと面倒くさい。mka は mkv 関連ツールで扱える利便性というものもあるのですが、動画作成環境を整えている人が世の中にそんなに多いとは思えませんし、やっぱり微妙なところですね。
たとえばジャケットや歌詞カードなどを添付する必要がある場合は mka が圧倒的に有利になります。Matroska Shell Extension を使えば添付したデータを簡単に参照できます。ファイル一式を無圧縮 rar にする方法よりも比較的 "健全" です。
余談 C : tta や flac 以外
mkaenc のドキュメントを読んだ限りでは可逆圧縮が推奨されていますが、Lossy な Audio Codec を自動的に格納することも出来ます。一応、EAC からダイレクトに aacenc32 を動かして (aac+cue).mka はできました。同様に(たぶん) oggenc でも lame でも大丈夫でしょう。無論、(ogg+cue).mka や (mp3+cue).mka を作る意義というのはあまりないような気はしますが…
余談 D : もっと便利に
いろいろと便利な使い方が考えられます。mkvmerge にこれもさせてー、あれもさせてー、と、いままで面倒だったこともさせてしまえます。もしも何かすごく便利な使い方を見つけ出された方は是非ご連絡ください。
- この記事は「mka encoder(日本語翻訳文書)」(2005-02-20)に続きます。











Comment (コメント)
何度やってもエラーになる。で、よくよく確認すると、MKVtoolnixのフォルダには
mmgmerge.exe は入ってません。(1.6.5と1.7.0で確認)これは昔のバージョン
には入ってたものなのでしょうか。